あなたが此処ではない何処か遠くへ行こうとするから。
此処ではない何処か遠くを見ようとするから。
あなたではない何処かの誰かになろうとするから。
その胸に渦巻く靄は晴れぬまま。
今存在している。それがあなたの全て。
目一杯の希望を抱えて。目一杯背伸びをして。
そのあなたの腕は、足下は、どうなっている?
沢山無理して、抱えきれずに。支えきれずに。
少し止まって、等身大を感じてみよう。
今在るあなたで呼吸をしよう。
例えどんなあなたであっても、間違いなく今此処に居る。
その事実を感じてみよう。
今在るあなたを受け入れられたら。ほんの少しだとしても受け入れられたら。
光を覆うその胸の靄は、やっと源に還ることができる。
あなたの中で眠ることができる。