マリアージュでは、お越しになったクライアント様と「次」のお約束をすることはあまりありません。
クライアント様の方で定期的な継続セッションをご希望されたり、セッションの中でクライアント様の「流れ」として必要だと、セラピスト・クライアント様間で同意がある場合にその場で次回のご予約を承ります。
2年程前まではマリアージュでも定期的な継続セッションを前提としていました。
心理療法では治療枠をとても重視します。決まった場所、時間、周期にお会いすることで治療や関係の連続性を守る意味合いがあります。
そして前提に、人はすぐには変わらないという考え、また、あまりに性急な変化はむしろ危ないという考えがあります。
とても大切なことですので、マリアージュでも次のお約束をすることはごく当たり前のことだと考えていました。
では、それを覆した理由は何だったかと言うと、クライアント様に「見せていただいた」ということです。
何をか。
人はたった一度のセッションでも変わることがあるということを。今日見た花の固い蕾が翌日には大きく咲き誇っているような。蛹が蝶になるような。
そして、それによって何か困ったことが起きたかというと、特段そんな様子もないことを。
むしろ、とても軽やかで、取り立ててご本人には言わないですけれど、私は「別人だな」と思って、内心感嘆しながらお会いしています。
皆様初めてお越しになる際は「固い」ことが多いです。表情、感情の動き、思考、体等々。
でも、次にお会いする機会を頂けた方は、色んなものが柔らかくなっていますし、よりその方らしい在り方になっていらっしゃると感じます。
私はセッションでクライアント様そのものを表す光を教えていただくのですが、その時に受け取った「本質」とご自身が思っている自分とが乖離する場合が多々あります。
その乖離が小さくなっているということは、クライアント様が自分の内側にいくつもの気づきを得て、徐々にそれを受け入れ、表現し始めているということです。
そうなって来ると、自分にとっての要不要、動くタイミング・留まるタイミングなどを掴みやすくなりますので、クライアント様にとっての「今、このタイミング」という時にマリアージュにお越しくださるようになります。
それが一番だな、と思いましてね。
私も「委ねる」というスタンスを基本にしてもいいんじゃないかと考えるに至りました。
ただ、全員が全員とは思っていません。その方の性質として、他の影響を非常に受けやすい方、心が折れやすい方、精神疾患の既往がある方、とても大変な状況にある方などは、今でも私の方からセッションの進め方についてご提案をさせていただく場合があります。
基本委ねる。ただし、専門家としての判断は常に行う。マリアージュの基本姿勢の一つです。